公認会計士事務所でのMac活用
公認会計士事務所でMacを使うと、いくつかの特有の課題に直面します。税務申告ソフトや会計ソフトがWindows専用であること、クライアントとのPDFのやり取りが膨大になること、そして増え続けるサブスクリプションのコスト管理——。
この記事では、そういった会計事務所ならではの悩みを解消しながらMacでのオフィスワークを効率化するアプリを、実際に使っている中から厳選して紹介します。選定の基準はひとつ、できる限り買い切りであること。サブスクリプションが増えがちな時代だからこそ、一度購入すれば使い続けられるアプリを優先しています。
会計事務所独自というのは、おそらく税務ソフトなどの記載など限定的で、基本的にオフィスワークの方でしたら当てはまる内容となります。
アプリを選ぶ前提
多くの会社や個人事業主はMicrosoft365やGoogle Workspaceを契約しており、この2つのアプリだけで月に4,000円程度かかりますが、他にも多くのサプスクリプションの契約をしているかと思います。
サプスクリプションの契約がどんどん増えており、従業員や業務受託者の契約も含めると毎月の支払い額が増大していく傾向があります。
そのため、可能な限り買い切りのアプリを使うようにしており、今回も買い切りアプリを優先して記載しております。
また、Macに標準でインストールされているアプリは除いております。
おすすめアプリ
コミュニケーションや会議用アプリなど様々ありますが、今回は、オフィスワークの作業に絞ってアプリを紹介したいと思います。また、当会計事務所ではMacとWindowsの両方を使用して業務を行っており、日常的に使用しているアプリに絞っております。
Alfred|ランチャーアプリ

Alfredは、Macの作業効率を劇的に向上させるアプリランチャーです。キーボードショートカットやカスタムワークフローを使って、アプリの起動、ファイルの検索、クリップボード履歴の管理などが迅速に行えます。特に、頻繁に使用するアプリやファイルへのアクセスをスピードアップするために役立ちます。
八ツ役Command+Spaceを押してAlfredを起動し、Google検索も、Chatgptでの作業も、電卓代わりにも使うことができます。Alfredの使用頻度は非常に高いです。
何か作業をする時は、トラックパッドやマウスでアプリをクリックすることはほとんどなくなり、とりあえずCommand+Spaceを押してAlfredを立ち上げて、アプリの検索します。
RaycastというAlfredと同程度以上と思われるアプリもありますが、サブスクリプションのため除いております。
Clean Shot X
Clean Shot Xは、スクリーンショットや画面録画を簡単に行うためのツールです。注釈機能やスクロールキャプチャ、GIF作成など、多機能なスクリーンショットツールとして、クライアントへのプレゼン資料作成やドキュメントの共有に大いに役立ちます。



Command+Shift+4を押してスクショと撮るエリアを選択して使うことができます。
スクショを仕事でスクショを取ることは非常に多いと思いますが、取った画像への書き込みだけでなく、スクショを画面に固定して表示して作業することもできるので、凄くお勧めなアプリの一つ。
Parallelsを使用してWindowsを起動してアクティブにしているとCommand+Shift+4でスクショを撮ることができず、アイコンから選択して使用しております。
Things3


やるべきことを片付けるため、1日のプランを立て、プロジェクトを管理し、ゴールに向かって着実に進むためのツールです。
「Things」がひと味違うのは、To Doリストを管理するだけではないことです。各タスクやプロジェクト専用のメモが、関連するアイディアや背景情報、会議の記録など、一行のタスクには収まりきらない情報を記入しておけます。



個人的には、最初は全く魅力を感じないアプリでしたが、使っていくうちに、他のタスク管理アプリとは異なる魅力を感じました。
アプリとしては、日々のタスク管理というよりも、長期的な目標を設定し、その達成のためのプランを立てて、タスクに落とし込み実行するのに役立っております。
また、仕事で使用するリンクも全てThingsのプロジェクト内に貼り付けており、Things経由で業務でよく使用するエクセルやフォルダーにもアクセスしております。
ただし、誰かと共有して更新することができないので、チームで業務に利用することが難しいのが難点です。
Notion+Notionカレンダー
Notionは、オールインワンのワークスペースアプリです。ノート作成、タスク管理、データベース管理など、多様な機能を備えています。プロジェクトごとにドキュメントやタスクを整理し、チームとのコラボレーションをスムーズに行えるため、コンサルティング業務において非常に有用です。
会計事務所のマニュアルや、個人的な読書本の要約やブログのドラフトなど、多くの情報のデータベース化しております。以前は、OneNote、Trello、GoogleドキュメントやEvernoteを利用していましたが、現状はNotionを使っております。



会計事務所のマニュアルの作成、取引先やプロジェクトの管理、タスク管理、データベース作成など多くの作業に使用しております。
サイボーズなど多くのツールがありますが、会計事務所では、Notionをフル活用して業務を行っております。
Notionカレンダーは予定をショートカットでコピペできますので、Googleカレンダーよりも使い勝手がいいように感じます。
Magnet


Magnetは、ウィンドウ管理アプリです。デスクトップ上のウィンドウを簡単にスナップして配置できるため、複数のアプリやドキュメントを同時に開いて作業する際に便利です。効率的な作業環境を整えることで、生産性を向上させます。
Yoink


Yoinkは、ドラッグ&ドロップ操作を簡素化するアプリです。ファイルやテキストを一時的に「置く」ためのスペースを提供し、ドラッグ&ドロップの操作を簡単にします。複数のファイルを整理しながら作業する際に役立ちます。
Clipy
Clipyは、クリップボード管理アプリです。コピー&ペーストの履歴を保存し、過去にコピーしたテキストや画像を簡単に再利用できます。頻繁に同じ内容をコピー&ペーストする必要がある場合に非常に便利です。
Edge|アプリ化機能
Edgeは、高速でセキュアなウェブブラウザです。特にビジネスユーザー向けに最適化されており、組み込みのセキュリティ機能や生産性向上ツールが豊富です。Microsoftアカウントとの連携により、ブックマークやパスワードの同期も簡単です。
個人的には、Edgeを導入する目的はサイトのアプリ化となります。GmailやGoogleカレンダーやTwitter(X)など、ブラウザーで使用しているサイトについては、Edgeのアプリ化を使ってアプリとしてMacにインストールした方が使いやすいです。



どのPCでもアプリ化しているのは以下のアプリです。
・Gmail
・Google カレンダー
・Google ドライブ
・Google Keep
・Oneドライブ
・LINE Chat(公式アカウント)
Parallels Desktop + Windows 11 + Microsoft 365|Mac上でWindowsを動かすためのアプリ
Macだけでは対応できないWindowsソフトを使うための仮想環境です。
Macを業務で使う上で避けられないのが、Windowsにしか対応していないソフトウェアへの対応です。税務申告ソフトや一部の会計ソフトはWindows専用のものが多く、公認会計士事務所においては特に頭を悩ませるポイントです。
Parallels DesktopはMac上でWindowsを動かすための仮想化ソフトで、Mac専用アプリと同じ感覚でWindowsアプリを起動できます。Intel Mac・Apple Silicon(M1〜M5)いずれにも対応しており、Apple Silicon搭載Macの場合はARM版のWindows 11を使用します。
Windowsのソフトを利用しないといけないケースが多くありますので、ParallelsとWIndows11とMicrosoft Office 365をインストールしておくと、仕事で困ることはほとんどなくなります。



Macで仕事をする場合、Parallels+Windows+Microsoft365は必須のアプリと考えています。
Macで日本語のキーボードを使っている場合は、キーの配置が異なったり、Window PCとは作業の効率が大きく落ちるかと思います。
いかにキーの配置や、Parallelsのショートカットを工夫してWindows PCと同等の効率を維持できるかがポイントとなります。
注意点として、ARM版Windows上では一部の32bitアプリや旧来のWindowsソフトが動作しない場合があります。
会計や税務では達人シリーズやJDLなど使用している事務所が多いソフトが対応していないため、業務で使うソフトが対応しているかを事前に確認することをおすすめします。
・Parallels Desktop:サブスクリプション(年間約¥14,000〜)または買い切り版あり
・Windows 11:別途ライセンス購入が必要
・Microsoft 365:サブスクリプション(Personal 年間約¥14,900〜)
PDF Expert + PDF Squeezer|PDF編集・圧縮




会計事務所では、契約書・申告書・各種報告書など日々大量のPDFを扱います。この2本を組み合わせることで「PDFの編集・署名」から「クライアントへの送付前の圧縮」まで、PDF業務を一気通貫で対応できます。
PDF Expert は、PDFへの注釈・テキスト編集・署名・フォーム入力をネイティブアプリとして軽快に行えるツールです。Adobe AcrobatのようなサブスクリプションなしでProレベルの編集が買い切りで使える点が最大の魅力です。
PDF Squeezer は、PDFのファイルサイズをワンクリックで圧縮するツールです。スキャンした書類や図表の多い資料はファイルサイズが膨らみがちで、メール送付時の上限に引っかかったり、クライアントが受け取りにくい場面が出てきます。圧縮品質は段階的に選べるため、視認性を保ちながらサイズを削減できます。



PDF Expertでよく使う機能は以下の3つです。
注釈・マーカー:クライアントから受け取った契約書や書類に直接コメントを書き込み、そのままPDFで返送できます
テキスト編集:書類内の日付や金額など、軽微な修正をPDFのまま行えるため、Wordに変換→編集→再PDF化という手間がなくなります
署名:電子署名をあらかじめ登録しておくことで、押印が必要な書類にワンクリックで署名を追加できます
PDF SqueezerはWebゆうびんの利用前の「最後の一手」として使っています。特にスキャンした書類は圧縮前後でサイズが1/5以下になることも多く、送付のストレスが大幅に減りました。
なお、PDF Expertは画像PDFのOCR(テキスト認識)には対応していないため、スキャン書類のテキスト化が必要な場面ではScanSnap Homeと組み合わせて使っています。

