これから開業して事業を始める方や、既に開業しており経理業務の効率化を考えている方で、個人事業主としての屋号付き銀行口座の開設を考えている方がいらっしゃるかと思います。
今回は、個人事業主の屋号付き銀行口座のポイントと開設可能な銀行について記事にしました。
ネットで口座開設できる銀行にフォーカスしており、メガバンクについてはいったん除いております。後ほど記事を拡充して追加します。
また、屋号が必要ない場合は、リンク先の記事をご連絡頂ければと思います。私は銀行口座では屋号を付けずに使用しております。
屋号(又は雅号)とは
屋号とは、個人事業者の方が使用する商業上の名のことです。
雅号とは、著述家、画家、書家、芸能関係者などが本名以外につける別名のことです。
参照:国税庁HP
町を歩いていて、”モモンガ”というパン屋さんがあったとすると、仮に個人事業主の方が経営されている場合、その”モモンガ”が屋号となります。
屋号の登録方法
屋号については、個人事業主が開業した際に税務署に提出する、個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)で記載して提出して登録することなります。
個人事業主や屋号に詳しくない人も世の中に多い
会社との取引が多い会社に勤めていると、経理部にいても屋号や個人事業主の仕組みをあまり知らない人もいます。
実際、私も銀行で働いていた時に、関係部署から個人事業主への支払いについて依頼書が回ってきましたが、なぜ個人名義の口座に業務委託料を振り込むのか不思議に思ったことがありました。税理士事務所への支払いもなぜか個人名となっており、怪しさを感じておりました。
個人事業主は会社と比べると信頼性が低い傾向がありますので、相手が安心して取引できる仕組みは大切となります。
屋号付きの銀行口座を保有するメリット
取引先や顧客の安心感が高まる信頼度が高まる
取引先やお客様で屋号やお店の名前は認識していても、事業主の名前について認識していない事があります。
振込の際に、屋号がついていると、安心して振り込む事ができます。
事業とプライベートの区分をしやすい
屋号付きの銀行口座の場合は、気持ちの上でも事業とプライベートの区部をしやすくなります。
確定申告での作業が効率化
確定申告の際に、複数の口座に分かれているより、1つの口座に集約されている方が効率的に終えることができます。
また、税理士などの依頼する場合も、コミュニケーションの時間が大幅に減ります。
屋号付きの銀行口座を保有するデメリット
税務署からの還付金の振込
消費税還付やサラリーマンの方が兼業でビジネスを行っている場合の所得税還付を定期的に受ける場合、税務署からの振込でエラーが起きます。
税務署からは還付金の受け取りは屋号がついていない口座を登録するように依頼を受けたりします。
口座名義誤りで資金振替でエラーが起きる事がある
1つ目のデメリットに近いですが、口座振替の登録をする際に、書類に個人のみを記載し、屋号を付けるのを忘れる事があります。
その場合、口座振替ができず、エラーとなってしまい、手続きに時間がかかります。
屋号付の銀行口座を作成すべきかどうか
屋号名での銀行口座を持つかどうかですが、業種によっても違いがあるかと思いますが、取引先や顧客が個人事業主に安心して振り込めるかどうかが重要になります。
屋号が付いている場合、法人口座まではいきませんが、取引先や相手方に一定の安心感や信頼感を与えることができます。安心して取引先や顧客が支払いを行えるように、屋号付の銀行口座は作成することをお勧めしております。
士業の方の場合、屋号に個人事業主名の一部が使われていることが多く、個人名でもあまり問題になることはないかと思います。屋号に事業主の名前の一部が含まれている場合、銀行口座が個人名であったとしても、安心して振り込むことはできると思いますので、事業主の状況に応じて決めることが大切かと思います。
屋号付きの銀行口座を開設できるネット銀行
屋号を付ける事ができるネット銀行はあまり多くないです。そして、振込手数料が無料などの特典が少ないです。
GMOあおぞらネット銀行
「氏名+屋号」、「屋号+氏名」で口座を開設することができます。また、デビットカード付で還元率は1%と高いです。
現時点ではペイジーに対応しておりませんが、来年度(2023年1月予定)の対応開始を目指し準備が進められております。
Pay-easy(ペイジー)対応に関するお知らせ
平素はGMOあおぞらネット銀行をご利用いただき、誠にありがとうございます。
現在、多くのお問い合わせ・ご要望をいただいております、ご自宅のパソコンやスマートフォン等を通じて、当社口座から税金や社会保険料等を簡単にお支払いいただけるPay-easy(ペイジー)への対応につきまして、来年度(2023年1月予定)の対応開始を目指し準備を進めております。
https://gmo-aozora.com/company/news/2022/20220111-01.html
PayPay銀行
「屋号」+「個人名」で口座を開設することができます。デビットカード付ですが、Visaデビットの利用500円につき、1円が還元のため、あまり使う機会が無いかもしれません。
ただ、PayPay銀行はペイジーでの支払いに対応しており、税金や公共サービスの支払いがしやすいです。
楽天銀行
「氏名+屋号」、「屋号+氏名」で口座を開設することができます。また、デビットカード付で還元率は1%と高いです。
また、PayPay銀行はペイジーでの支払いに対応しており、税金や公共サービスの支払いがしやすいです。
楽天銀行は、個人口座を保有している場合に、追加で屋号付の口座開設を行うことができます(屋号付の口座のみの開設はできない)。