富裕層や海外志向の強い方を中心に、海外金融機関に口座を持つ人が増えていることを皆さん、ご存知でしょうか。
海外金融機関の中には内容の良い保険や日本では投資できないETFなどの投資商品があるため、それらを利用するために口座を開設している方が多いと思います。
しかし内容の良い金融商品を購入するためではなく、資産を守るために海外口座を持っている方も多いのです。
海外金融機関の口座と聞くと課税逃れを目的と感じる方も多く、
なぜ海外金融機関に口座を持つことが資産を守ることにつながるのか疑問に思う方も多いでしょう。
そこで今回は、資産を守るために海外金融機関に口座を持つ意味について説明します。
また、当該記事は不安を煽ることを目的としておらず、私たちの人生のリスクに向き合い、資産をどう守っていくのか、その一つとして記載しております。
預金封鎖への危機感
皆さん預金封鎖という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
預金封鎖とは、その名の通り自由に預金の出し入れを行うことができなくなってしまうことをいいます。
過去に多くの国で預金封鎖は行われていて、最近では2013年にヨーロッパのキプロスという国が預金封鎖を実施しました。
他にもブラジルやアルゼンチンでも過去に預金封鎖は行われています。
預金封鎖が行われてしまうと資産に税金をかけられてしまう可能性が高いため、多くの富裕層はこの預金封鎖を恐れているのです。
ここまで読んでいただいた方の中には日本で預金封鎖が行われる可能性なんてないのではないかと思われている方も多いと思います。
しかし過去、日本でも預金封鎖は行われたことがあるのです。
戦後の1946年に日本でも預金封鎖は実施されました。
預金封鎖が行われた理由は、当時の政府の債務が膨大なものになり国民からお金を徴収するために行われたのです。
預金を出せなくして、資産に最大90%もの資産税を課しました。
結果として日本の財政は良くなりましたが多くの富裕層は膨大な税金をとられてしまったのです。戦後は預金封鎖だけでなく、預金以外の資産に対しても財産税が課されたため、富裕層への影響は極めて大きかったです。
現在の日本の財政状態を考えると預金封鎖が行われる可能性は決してゼロではありません。
預金封鎖は富裕層にとって最も恐れることの1つになのです。
海外金融機関に預けている資産は預金封鎖の対象外になる可能性が高い
2013年に行われたキプロスの預金封鎖の対象になった銀行は、キプロスの大手銀行2行です。
海外金融機関は対象になりませんでした。このように海外金融機関に預けている資産は預金封鎖の対象外になる可能性が高いのです。
海外金融機関といっても日本にある支店は、預金封鎖の対象になる可能性があります。なぜなら金融庁の管轄内だからです。
しかし海外金融機関の海外の本支店に預けてある資産は、金融庁の管轄外になるので預金封鎖の対象になる可能性は低いといえます。
このような理由から、富裕層を中心に預金封鎖に備えて海外金融機関に資産を預けているのです。
自身の資産を守るために海外金融機関に口座を持つ事は非常に有効といえるでしょう。