【米国】配当を自動再投資できるDRIP(Dividend Reinvestment Plan)の税務

米国の証券口座で配当を自動再投資できるDRIP(Dividend Reinvestment Plan)を利用している投資家も多いと思います。

八ツ役公認会計士事務所では、日本だけでなく海外の証券会社を活用した投資について記事を投稿することもあり、今回、日本人でも開設可能な米国の証券会社のInteractive Brokers(インタラクティブ・ブローカーズ証券)、Firstrade(ファーストレード証券)を前提に、DRIPについて記事にしております。

目次

DRIP(Dividend Reinvestment Plan)とは

日本では配当再投資制度と呼ばれており、保有株式の配当金を現金で受け取らず自動的に再投資する仕組み(Dividend Reinvestment Plan、DRIP)。米国の株式発行企業によって提供されている制度で、配当金は税引き後、そのまま株式の買い増しに充当される。一般的に単位株の購入に足りない分は端株で買い足され、買付(売買)手数料はかからない。なお、日本では本制度は導入されていない。

野村證券 証券用語解説集
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ha/A03230.html

マネックス証券で2021年6月6日(日)より、米国株取引において、定期買付サービス(配当金再投資・毎月買付)の取扱いを開始しております。DRIPに近いサービスとなりますが、1株に満たない端株については買い足されないなどの違いがあります。日本でも再投資が楽になるのは嬉しい限りです。

以下では原則として、マネックス証券の定期買付サービスを含めずに記載しております。

DRIPのメリット

税引後の配当額で、配当の対象となったのと同じ株式・ETFを、端株でも買い増せる

毎月1株あたり配当が10ドル程度の銘柄を1株だけ持っている場合、毎月の配当では1株買えないかと思います。DRIPだと1株に満たない単位(端株)を購入可能です。

設定や購入手数料は無料

DRIPの設定や購入時の手数料は無料となります。ただ、Firstradeの場合、そもそも株式の売買手数料が無料となります。

銘柄ごとに配当を再投資するか選択可能(Firstradeの場合)

配当があるだけでなく、株価の上昇も見込める銘柄だと、気が付くと結構なリターンとなっていたりします。

株価上昇が見込めない場合でも、配当で株を購入し、増えた株からも配当が生じるため、複利で資産が増えていきます。

DRIPのデメリット

米国の証券口座が必要

基本的に米国の制度のため、米国の証券口座を持っていることが前提となります。

税務上の優遇措置はない

米国ではDRIPでは税制上の優遇措置があったりしますが、日本の居住者は米国で源泉徴収された上で、日本で納税する必要があります。

DRIPの配当金についての税務処理

DRIPについては、米国の証券口座で10%の源泉徴収後の金額を配当金として受け取り、配当を支払った銘柄と同じ銘柄に投資を行なっております。

当事務所では、配当をDRIPで再投資を行うかどうかに関係なく、日本では申告分離課税の上場株式等に係る配当所得として申告し、米国での源泉徴収については外国税額控除を適用することとしております。

証券会社によっては日本で源泉徴収されずに再投資されることから、課税の繰延をできると記事にしているサイトもございます。実際にどのように税務処理するかについては顧問税理士と相談の上で決定することをお勧めします。

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